歯が抜けた後、欠損を修復する方法を歯科では欠損補綴(けっそんほてつ)と呼びます。
その方法はおおむね4通りあります。簡単な順に述べますと
1. 義歯 (いわゆる取り外し式の入れ歯のことです)
2. ブリッジ (抜けた両隣の歯を削って連結してかぶせる固定式の義歯です)
3. 歯牙自家移植 (親知らずなどを抜いて必要な場所に移植をします)
4. インプラント (チタンなどのボルト状の金属を直接顎の骨に
埋め込んで機能させる方法です)
という4通りの方法があります。それぞれ長所短所があり、患者様の状態に即した選択肢を提示します。
選択肢を丁寧にご説明して、最も適切な補綴法を患者様と一緒に考えます。
インプラントは優れた補綴法で、きじまデンタルクリニックでは30余年の臨床経験がありますが、体内に異物を埋め込む手術ですので、それなりのリスクを伴います。
きじまデンタルクリニックでは欠損補綴のすべてをインプラントで解決しようとは考えていません。
義歯、歯牙移植、ブリッジにもそれぞれメリットがあり、それらを患者様にご説明して選択肢の中から、ご希望の補綴法を選択していただいた上で治療をおこないます。
インプラントのご希望があれば、リスク、治療期間、治療費、メンテナンス法をご説明して万全の態勢で臨みます。
インプラントをご希望になられても、適応症でなかったり、ハイリスクであれば他の方法をおすすめするか、大学などの高次医療機関に依頼いたします。
インプラントをめぐる事件が最近あちこちで報道されるようになりました。
そんな中、ついに愛知県で想像すらできない事件が起きてしまいました。
インプラントが抜けること自体めったにありません。
ましてやストックできるほどインプラントが抜けるということは通常あり得ないことです。
それを他の患者様に埋め込むなどはまさしく犯罪行為です。
またインプラントで噛むと痛むとか、違和感があるということも通常ありません。
最近のインプラントには一本ずつロットナンバー印刷したシールがついています。
きじまデンタルクリニックではそのシールをカルテに貼って患者様に使用したインプラントを追跡できるようになっています。
過去にきじまデンタルクリニックでインプラント治療を受けられた患者様でご不安をお持ちの方はどうぞお問い合わせください。
インプラントが広く世間に認められて治療を希望される患者様が多くなりました。
私がインプラント治療を始めた30年前に比べると隔世の感があります。当時は人工サファイアを使いましたが骨との結合はゆるく指で廻すとクルクル動くようなものでした。
しかし、そのようなインプラントでも現在まで30年以上も患者様のお口の中で機能し続けているケースもあります。当時はその他にもブレード型のインプラントや骨膜下インプラントなどもありましたが、私の知っている範囲内では治療成績が良くなかったため、きじまデンタルクリニックでは採用しませんでした。
その後チタン製のインプラントがスウェーデンとスイスでほぼ同時に開発され両者とも骨の細胞としっかりくっつくことが判明し現在の骨統合型インプラントの礎を築きました。
日本に導入されたのは昭和58年頃であったと記憶しています。
きじまデンタルクリニックでは昭和61年からスイス製のITI(現在はストローマンと名称を変更)というインプラントを27年以上現在まで使っています。
このインプラントはメーカーの学術的背景が非常にしっかりしていて品質もとても優良です。治療成績はよく、予知性の高い治療法です。
しっかり噛めますので、他の残存歯にかかる負担を下げる効果があります。しかし手術が必要で治療費が高額という欠点もあります。
インプラントの手術と白金加金のかぶせ物を含めて1本当たり35万円から40万円くらいが目安です。
標準的な症例では
インプラント設置施術料 | ¥25,4500~ |
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上部構造(高カラット貴金属を使用したメタルボンドなど) | ¥100,000~130,000 |
の費用がかかります。
症例によっては以下のオプションなどが必要となる場合があります。
CT撮影料 + 読影診断料 | ¥12,000 |
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ジルコニア加算 (審美性が強く要求される場合に使用) | ¥70,000 |
骨誘導再生法 1部位 | ¥150,000 |
ソケットリフト法 1本 | ¥50,000 |